♥OSS

学生向けに勉強会や開発イベントを開催していたら、♥OSSになった人がやったことや思ったことなどを書くことにしました

ゼロから1をつくる学生エンジニアのためのリーン・スタートアップ勉強会を開催しました!

 

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前回のリーダブルコード勉強会に続いて、今回は

SEゼミ | ゼロから1をつくる学生エンジニアのためのリーン・スタートアップ勉強会

を開催しました!

開催の趣旨や内容は先のエントリーにも記載していますが、学習効果としては、
「プロダクト開発の流れとフィードバック・ループを回すことが身体でわかる」
これを実践できるよう考え、実施しました。


何をしたのか

今回は「実際にフィードバック・ループを回す」という経験を積んで頂くために、ユーザーインタビューを実際に行うことを盛り込み、2日間にわたって実施しました。

 

■勉強会で設定した課題

スポーツ / 大学教育 / 家族 から一つ選び、ウェアラブル端末を使った新しいアプリ/サービスのプロトタイプ(Skit[寸劇])を開発してください

 

■1日目にやったこと

  1.  (レクチャー) リーン・スタートアップとは
  2.  (レクチャー) アイデアの作り方
  3. 企業におけるリーン・スタートアップ事例(楽天様より) 「10%ルールがチームになるまで」
  4.  (チームワーク) テーマ決定 & チーム分け
  5.  (チームワーク) 強制発想法を使ってチームで解決したい問題を出す (3コ以上)
  6.  (チームワーク) 出来てきた問題を構造化し、レバレッジポイントを特定
  7.  (チームワーク) レバレッジポイントの解消ができる仮説・アイデアを考える
  8.  (チームワーク) その仮説・アイデアを成り立たせる前提条件を考える
  9.  (チームワーク) その前提条件をユーザーインタビューで確かめる
  10.  (チームワーク) インタビュー結果をもとに前提条件/レバレッジポイントを再考

■2日目にやったこと

  1. (チームワーク) 前提条件をクリアできれば、引き続き、仮説・アイデアをインタビューで確かめる
  2. (チームワーク) インタビュー結果をもとに仮説・アイデアをピボット
  3. (チームワーク) アイデアをプロトタイプ[Skit(寸劇)]にする準備を行う
  4. (チームワーク) そのアイデアに至った経緯を発表する準備を行う
  5. (各チーム発表) Skit と ピボット履歴を発表(Q&A含む) & レビュー
  6. 懇親会

すでに受講された学生の方が、わかりやすい参加レポートを出されていて(主催側として脱帽)、こちらと一緒にご覧いただくと、掴んで頂きやすくなります。

リーンスタートアップ勉強会に参加してきました - あーあーそのー

 

トレーナーにはIT企業向けにこの内容を実施されていた 志賀 澄人 さんをお迎えしたのですが、特に「アイデアの作り方」では、人×物×場所=結果 で強制的に問題を発想するというもので、初めて会う方々同士のチームでアイデアを出すメソッドとしては非常に有用でした。

 

また、今回の勉強会では、
 (1) 発表するプロトタイプは「Skit(寸劇)」にすること
 (2) 実際にユーザーインタビューをすること(街頭に外出も含む)
この2点を予告無しに実施しましたが、(1)はまだしも(2)がやはり心理的なプレッシャーがあったようです。

 

あわせて、実際に外に出てしまうと、トレーナーの眼が届かないこと、また企業の研修と違い、はじめて会うメンバーが大半であり、さらに、はじめてリーン・スタートアップをやるとチームワークが破綻する可能性が大です。

そこで今回もメンターをアサインする必要があったのですが、現役エンジニアや権威が側にいると頼ってしまい、どうしてもチームの主体性が失われる(=身につかない)、また社会人という身分を隠してチームに入ると浮く(当たり前...)ので、個人的に親しい KMD:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 の院生の方々に依頼したところ、3名の方が駆けつけてもらえることとなり、実際にステルスメンター(完全な造語)としてチームに入っていただきました。

▶本当に激しく優秀な方々だった。スゴイぜ、KMD!! ありがとう、KMD!!!


どんな方が参加したのか

前回のリーダブルコード勉強会で参加された学生エンジニアの方々と、新しく参加された、やはりエンジニアな学生に加え、今回は上記KMDの3名の院生が参加さ れました!(ちなみにハタチの高専生の方もいた!!)
また受講前のリーン・スタートアップに対する理解は下記のアンケート結果をご覧ください。
(n=11)

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ただ、開催した 7/26-27 は大学の前期末でテストやレポートが重なる時期ということもあり、前回に比べ、1/7ほどの11名のご参加となりました。

今回のレポートを機に、ぜひ次回を希望する声が上がってくることを切に願っております!!

▶企業や大学で出張講座もできますので、ぜひぜひお声掛け下さいませー!!


どのような結果が得られたのか

今回もアンケートを行いましたので、その結果をもとにどのような効果があったのかを検証するとともに、参加した各チームがどのように学え、ユーザーインタビューでどのように検証し、ピボットしていたのか、2日目の各チームの発表資料を掲載します。


■アンケート結果
Q.勉強会の全体的な参加満足度をお聞かせ下さい

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前回と同じく満足したというご回答が多く、合格点は頂けたかと思っています!

 

Q.想定していた内容との違いをお聞かせ下さい

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予告していない部分(ユーザーインタビューなど)があったので、それが良い評価に繋がったのかも知れません。

 

Q.勉強会の感想やご不満、改善点、その他具体的にコメントしたいことをご入力下さい。

  • とても面白い勉強会で大変満足しています。新しい学びが多すぎて脳が喜びを感じています笑 自分が考えに考え抜いた考えが覆されるという経験ができ、検証の大切さを深く感じました。ありがとうございます!
  • 実際に外にインタビューしにいくとは、考えいなかったので少々と緊張し尻込みしてしまいました。 しかし、実際に行うことで度胸も踏まえて様々なことを学べて本当によかったです
  • ちょっと時間が足りなかったかもしれないです。といっても2日間だと難しいので、サポートをもう少し強めにいれる...など。 アウトプットで出すものの評価基準が事前に欲しかったかもしれません。実現性をみるのか、事業可能性までみるのかなど。
  • プロトタイプというのがどこまでを指すのか、よくわからなかった。 実際に現地で聞き込みをするという取り組みが良かった。いい経験になった。
  • 手厚いサポートを受けることができた。テーマによってはフィールドワークしづらい。
  • なんだかんだ楽しかったです。時間的にしょうがない部分はあるのですが、検証や実際のMVPまでできるとよかった。
  • リーンと聞いていたのでマネタイズなどビジネス面も学べると思っていたのでそこは不満だった
  • ウェアラブルデバイスというお題があることでLEAN STARTUPの勉強が若干阻害されてしまっていました(アイデアの自由度が減って)。
  • 時間が足りなかった。もっと時間を使ってサービスを突き詰めていきたかった。 初めて会う人と意見を出し合って活動するのはとても楽しかった。
  • 思っていたよりもずっとグループワーク色が強かったので,非常に勉強になった.グループワークだと,自分の立ち回り方が難しく,今後の自分の課題として認識することが出来た.
  • 色んな人とチームを組めるような構成だと有り難いです

今回は参加人数も少なかったので、全掲載しましたが、こちらのガイダンスが不足していた部分や、言葉の定義が曖昧だった部分があり(プロトタイプ,MVPなど etc.)、トレーナーとのすり合わせが必要だったと反省しています。

#ウェアラブルガジェットの質問もしていたのですが、そのお話はまた次回に

 

■メンター効果
前述のとおり、ステルスメンターにご参加頂いていたのですが、懇親会時に参加者にはお伝えし、全員で感謝を述べましたが、評価としては上述のアンケート結果には含めていませんでした。

ただ、参加者の方が関連してtweetしていたのを拝見すると、ほぼ狙い通りに進んだようです!!

 

改めて、メンターを引き受けていただいたKMDの3名の院生の皆さん、ありがとうございました!! (id だしたい!)

 

■発表資料
検証・インタビューを経てどのような気付きや学びがあったのか、チームのピボットの履歴を発表して頂きましたが、やはりユーザーにどのような内容を質問するのか、Yes/Noではなく、ストーリーで聞くというのが非常に難しかったようです。

またインタビュー回数が多く、気付きを得られているチームほど、ユーザーシーンが見えるプロダクトになっているように感じました。

 

・家族をテーマとしたチーム

・大学教育をテーマとしたチーム

・スポーツをテーマとしたチーム

 

■参加レポート
また勉強会に参加いただいた学生の方に参加レポートを頂いていますので、ご紹介します。
もし他にも書いたよーという方がいらっしゃれば、ぜひお知らせ下さい!! (8/4追加)

SEゼミ「リーンスタートアップ勉強会」に参加してきました #sezemi - Uncovered Gearbox

リーンスタートアップ勉強会に参加してきました - けんちゃぶ.log


まとめ

学生エンジニアのためのリーン・スタートアップ勉強会を開催し、実際にフィードバックループを回すようにプログラムを組んで実施してみたところ、そのユーザーインタビューを行うという活動が評価をいただき、あわせてリーンのフィードバックループに慣れるということに繋がりました!

 

2日間にもわたる勉強会にご参加いただいた学生エンジニアの皆さま、メンターとしてご協力頂いたKMDの強者の方々、本当にありがとうございました!!


あわせて参加人数が激減した上に、新規に参加された方が少なかったにも関わらず、スポンサーとして開催を快くOKいただいた楽天様、本当にありがとうございました!!

 

そして、リーダブルコード勉強会やリーン・スタートアップ勉強会は企業や大学、高専などで出張講座も可能です!!

大事なことなので (ry !!

 


さて、次回はいよいよ今までの勉強会で得たインプットをもとに、アウトプットしていただくハッカソン、ウェアラブルガジェットパーティです!

8月開催としていましたが、諸事情あり、10月に開催することになりました!!
ぜひご期待くださいませ!

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