♥OSS

学生向けに勉強会や開発イベントを開催していたら、♥OSSになった人がやったことや思ったことなどを書くことにしました

大事なことはOSSで学んだ

THE CATHEDRAL & THE BAZAAR
イベントで使っていた写真

近況

最近、OSS Hack Weekendなどイベントでお会いしていた方とお話する機会が増え、その後、どうしてるの? と聞かれることが多かったので、まず近況をご報告です。

昨日2/7に、Hoppers|ホッパーズという、営業チームに眠る営業ノウハウをたくさん集めて共有できるアプリのOpenβの先行無料登録の受付を開始しました。

www.hoppers.team

2016年夏ぐらいに着想を得て、1年半経ちましたが、ようやくOpenβを迎えました!!

(はい、Openβなので、まだリリースまでに至ってません。。幸い、いい開発チームなので、楽しいんですが。)

というわけで、ホッパーズのティザーサイトを公開するにあたって、開発イベントを公開するときと同じドキドキを感じています。

また同時に記憶が甦り、OSSの世界の側にいたことが役に立っているなぁと、こみ上げるものがあり、勢いのまま今、書いています。

大事なことはOSSで学んだ

OSSに惹かれるわけ

このブログでは度々出しましたが、私自身はセールスの経験が一番長く、実際Pull Request出すのは markdown ファイルぐらいです。
なので、OSSといっても、中の人と言うわけではなく、側の人という表現がピッタリかも知れません。
その側の人から見たOSSというのを前提として、以降、読んでいただけるとうれしいです。

私がOSSへ関心を持ち始めたのは2015年に OSS Hack Weekend というイベントをやろうとしてからですが、今になってふりかえってみると、このように魅力を感じるようになったのは、そのイベントに参加頂いていたメンターの方々の、とてもオープンな姿勢と、とてもウェルカムな雰囲気で、楽しそうに開発に取り組んでいることが、とても眩しく見えたからだと思います。

もちろん、その後、いろいろなOSSの勉強会に参加したりして、割りと普通にマサカリ投げあってるものもあれば、淡々と発表だけが続くものであったり、OSSといってもいろいろなんだな、というのはわかっています。

とはいえ、OSS Hack Weekendでイベントを休止してからも、そこから始まった OSS Gate に参加されている方とお話すると、やっぱり同じようなオープンな姿勢、ウェルカムな雰囲気、楽しそうなものを感じます。
ちなみに、これはOSSの開発経験年数に限らず、どなたもそのように見えます。

OSSの世界の側で学んだこと

そのオープンで、ウェルカムなものはどこから来るのか、色々考えると、当たり前といえば当たり前なのですが、OSS開発ではオープンネスがとても求められるからかも知れません。

このオープンネスというのはもちろん、ソースコードをオープンにするという見方もありますが、側の人から見ると、誰も彼もが自由に好きなソフトウェアの開発に参加できる、それこそがOSSの魅力であり、お手本になる部分だと思っています。

どういうことかというと、まず、誰も彼もが好きなソフトウェア開発に参加することで、より良いものが出来上る、ということは、多分いまは一般的になっていると思います。

ということは、より良いソフトウェアを作るには、誰も彼もがソフトウェアの開発に参加しやすいようにすることが求められます。

例えば、

  • これまでの議論や問題がわかるようにしておく
  • 問題への解決を提案するやり方をわかるようにしておく
  • この2つを公開しておく

こういったことが必要になります。
逆に、クローズドに、例えば、不都合な問題は隠してしまったり、独裁的にやっていたのでは、参加しにくくなってしまいます。(もちろん例外はあります。Linuxちょっとデキる人とか)

ということは、誰もがOSSの開発に参加しやすいようにコミュニティは作られていて、そこに参加する人も同じように、オープンになり、新しく参加する人にはウェルカムになり、また好きなソフトウェアが一緒であれば楽しい、となって、あのイベントやOSS Gateワークショップの雰囲気になるんだろうなぁと思ってます。

OSSの世界で学んだことで役立っていること

OSSの世界の側にいたことで、そのオープンな姿勢、ウェルカムな雰囲気を精一杯マネるようになりました。(デキているとは言っていない。。。)
個人的な姿勢はそうですが、OSSで学んだことが、今の開発にも役に立っています。 (もちろん私は開発ではなく、プロダクトオーナーです)

「営業チームをオープンにする」がコンセプトになった

今回のホッパーズそのものが、セールスチームをオープンにする、みたいなものなので、OSSに出会ってなければ、そこまで振り切れなかったかも知れません。

営業というのは、昔の開発と同じように個人のスキルに依存しがちで、チーム内で情報やノウハウを共有して活動する、というのは、かなり稀です。

また、そうなる背景には、色々理由があり、口頭コミュニケーション大好き、インセンティブの問題など様々にありますが、数字で詰められやすいため、心理的安全性が容易に奪われやすく、相談しにくい、気軽に発言しにくい、というのも大きな要因に挙がります。

これをホッパーズは、失敗も成功もノウハウとしてオープンにしようぜ、というものなので、結構、OSS的だなぁ、と自分では思っています。

issueを丁寧に書く

なぜ、やるのか、なぜ、こんな機能を考えているのか、なぜ、こんなポップなUIになるのか、この辺は本当にOSSのやり方で学べたことなので、丁寧にissueに書いたり、ミーティングで共有したことも、ちゃんと issue に書いていました。

ちなみに開発チームのエンジニアからは、よいissueを書けない人は割りとツラい、と言われているので、引き続き、やっていきます。

その甲斐あって、今では「これはホッパーズっぽいね」とか「これはホッパーズに合わないね」とかエンジニアからも挙げられて、いい感じに機能が改善したり、当初とは違った機能も入るようになってきました。

また、開発された機能も、どうなったか主要なメトリクスを定期レポートしているほか、αユーザーへのインタビューも共有して、作ったものの価値検証もやっています。

幸い、インタビューのレスポンスが良く、エンジニアも今のホッパーズを好きになってきてくれているので、とても楽しくなってきてます。

人に恵まれた

これは学んだことではないですが、イベントを通じて、懇意になった参加学生の方やメンターの方にも親身に相談に乗ってもらって、本当にとても恵まれました。

着想->MVPのときには、イベントに参加してくれていた学生で、デザイン思考やUXに詳しい kenken くんに相手になってもらい、今の「営業ノウハウを集める」にフォーカスできて、あとで開発で迷ったときも、ここで判断できるようになりました。

またMVP検証のときには、クラウドワークス大場さんにお願いすると、セールスの方を紹介してもらって、そのときの仮説課題が無かったことに気付けました。

さらに、これもイベントに参加してくれいていた学生で、JS得意っす、と言っていて、その記憶を頼りに、shuyuhey くんにoお願いすると、副業案件でゴリッとフロントの開発に入ってもらって、SPAにできました。 (実は社会人になって、RubyRails、Swiftがメインになっていた)

ちなみに、shuyuhey くんには私が環境構築でハマったときや、コードをコピペしながらコミットしたときも、めっちゃウェルカムにレビューしてもらいました。超絶感謝です。

おわりに

とっても刺激的で、OSSの世界にも魅了され、よい経験をしたOSS Hack Weekendなどのイベントも、ビジネス的には大失敗しました。
当時は、それはそれで大変だったのですが、2年後、いまの私にとってはそれが貴重な礎になり、2年前には想像すらしてなかった、営業向けのアプリをローンチしようとしています。

このホッパーズでセールスチームをオープンに出来ることを願っていますが、それはそれとして、また多分、2~3年後はまた今やっていることが礎となって、今、想像できてないことをやっているんだろうなぁと思っています。
もしかすると、ホッパーズをフリーソフトウェアとして公開して、ワイワイやれてると楽しいかもなぁ