ウェアラブル端末はコンピュータではなく「新しいI/O」と考える
前回のリーン・スタートアップ勉強会では、
・ウェアラブル端末を使った新しいアプリ・サービスを考えよう
というのが課題だったのですが、実際にウェアラブル端末を題材として考えてみて、どう思われたのかをアンケートしていました。
Q.実際にウェアラブル端末を題材としてみて、端末に関する気付いたことや今後の予測、感じたことなどご入力下さい。
まだ普及段階に無いせいか、利用イメージすることが難しく、どうしてもスマートフォンでできる、ウェアラブルである意味が見出せないというご意見が多かった結果となりました。
ウェアラブルガジェットパーティ(WGP)というハッカソンを企画中のところ、これはちょっと由々しいことなので、あーでもないこーでもないと深堀りして考えてみました。
そして、タイトルの結論に辿り着いたので、そこまでの過程を記載します。
(以降、完全に主観であり、当たり前のお話過ぎる部分があるのですが、ぼっちで考えて、自分なりに結論にたどり着いたことに興奮してしまったのでエントリーしています。ご容赦ください)
スマートフォン is 手のひらサイズのコンピュータ
まず、スマートフォンとは何か、いろいろ定義がありますが、これは下の記事の堀江貴文さんのお話を拝見して、唸ってしまいました!
スマートフォンは電話ではなくてPCです。インターネットに常時接続したPCが手のひらにある世界が来ているんです。
「世界が変わらないのはエンジニアのせいでもある」堀江貴文氏がフリーエンジニアに向けて放つ5つの提言 - エンジニアtype
そして、スマートフォンはコンピュータであると考えると、ウェアラブル端末の位置付けが非常にスッキリ考えられたのです。
#この線で考えると、タブレット is 持ち運びしやすく操作が簡単なパーソナルコンピュータとなり、PCとほぼ同等の機能を求められている現状を考えると、まさしくPCのリプレイスを果たすデバイスですね
ウェアラブル端末 is not 身につけられるコンピュータ
現在のウェアラブル端末はスマートフォン(つまり、コンピュータ)との連動を前提としており、ウェアラブル端末はコンピュータが備えるべき五大装置、つまり入力、演算、出力、記憶、制御の全ては満たしておらず、コンピュータとは言えません。(あくまで2014年8月現在)
つまり、ウェアラブル端末はスマートフォンを代替するものではありません。
#となると、スマートフォンの代替は 電脳か? ロボットか? と思ってしまいますね
ウェアラブル端末 is 何 ??
スマートフォンがコンピュータという前提に立つと、
・ウェアラブル端末は「新しい I/O」
と言えるのでは無いでしょうか。
また既存のI/O、キーボードやマウス、モニターなどと違い、「身につけられる = 五感(*)を使う」という点が大きく異なっています。
(*)正確には視覚、聴覚、触覚ですね (今のところ鼻や舌と関連する端末は無いはず!?)
となると新しいI/Oであるウェアラブル端末では、Inputが見たもの、音声、脈拍、振動、ジェスチャーなどになり、同じくOutputが視野の一部、振動、音などになります。
そして、五感に訴えやすくなるため、拡張現実、仮想現実を生み出しやすくなります。
当たり前の話で恐縮ですが、スイマセン、自身の頭をクリアにするためにも、この定義が必要でした。
ウェアラブル端末を使った既存アプリ・サービスの新しいI/O を考えると面白い
新しいコンピュータが登場したと考えると、私の場合、どうしてもその上で動く新しいアプリ、サービスを考えてしまい、発想が難しくなりました。
ただ、これを単なるI/Oと考えると、何も新しいアプリにこだわらなくなり、「既存のアプリに新しいI/O を加えるとどうだろう」と考えると、私の場合、アイデアが色々と出てきました。
ex.
新しいI/Oを使って、mail、SNSなどのコミュニケーションを、よりリアルに、より拡散しやすくする
新しいI/Oを使って、ゲームやミュージックなどのエンターテインメントを、より臨場感が得られるようにする
新しいI/Oを使って、ナビや乗り換え案内を、よりわかりやすくする
新しいI/Oを使って、レシピを、より投稿しやすくする
新しいI/Oを使って、出退勤管理システムを、より自然にする
etc.
これをお読みの皆さんはいかがでしょうか?
ウェアラブルらしい新しいアプリを考えなくてよかったんだ!!!! って開放感? は得られますでしょうか。
(もちろん新しいアプリが出てくるのは凄いことなのですが...)
#ちなみに既存アプリとのマッシュアップの実現例
ということで次回のハッカソン、ウェアラブルガジェットパーティは、
(1) ウェアラブル端末を使った新しいアプリを作ろう(*)
(2) ウェアラブル端末を使って人気アプリをマッシュアップしよう
(*) 最低限動いて検証できるMVPまでの開発を指しています
この2テーマで開催しようと考えています!!!!
学生の皆さまには、この(2)のテーマが面白いかどうか、メンション、DM、メールなどどんな手段でもかまいません、 ぜひご意見をお寄せいただきたく、
そして、面白いかも! と思われた (2) の人気アプリをもつ企業の皆さま、ぜひぜひ一緒に考えさせてください!
ご意見、感想などお待ちしています!!